どうもローンイマイです。


ウクライナ戦争の2日目 2月25日(金)の株価はしっかり反発して上昇しました。

特にマザーズの上昇が7%と凄い上昇しました。
マーケットは、ウクライナ情勢をかなり織り込んだんでしょうね。

「flight to quality(質への逃避)」と言われる、アメリカ国債市場への資金逃避も峠を超えた感じですし、
金利の低下が若干あった程度だし、ゴールドの上昇も一服しましたしね。


今回の株価上昇は、
「噂で売って、事実で買い戻す」
って典型的なマーケットの動きです。

その逆のパターンが一番典型の投資家の行動で
「噂で買って、事実で売る」
ってのですね。

「事実での買戻し」は、後述しますがロシアへの経済制裁の中身です。
それは経済制裁にSWIFT(スイフト) が含まれてなかった事です。
SWIFTは自分達への経済への影響が大きくて、お互いが痛みを伴いますからね。

まず、貿易決済が全く出来なくなるので、
日本でも商社がロシアに債権を沢山持ってるので、この回収は出来なくなるし、
貸してる金があればかえってこないし、
日本、アメリカ以上に欧州の方が結び付きが多いので、もっとキツいでしょうしね。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、
「イタリアのドラギ首相がロシアのSWIFT排除を支持した」
とツイッターに投稿したそうですが、これは完全なる金融の核兵器ですので、
流石に欧米諸国も返り血を浴びますので、簡単には決断しないでしょう。

図:ウクライナ戦争2日目の状況
2022.02.26-ブログ03地図


この記事は2月26日(土)21:30時過ぎに書きはじめて、そこから20~30分後くらいにUPした記事ですので、その前提で読んで下さい。
(記事時間は、NEWマークが付くように、適度に最新時間にしてます)




効果の無い経済制裁

欧米各国は、経済制裁をするって事みたいですが、残念ながらほぼ効果は無いでしょうね。
何もしないって訳にもいかないので形式上やってるだけです。
こんなのはプーチン大統領は全部計算しつくされてます。

2022.02.26-ブログ01経済制裁


多少貧しかろうが、食物も資源も全部国内で需給できる国である上に、
何と言っても、世界最大の輸出国である中国と貿易するんだからね。

全部、根回しは完了済みです。
証拠に、中国はロシアの小麦輸入拡大を早々に発表してます。あからさまです。

2022.02.26-ブログ07

結局、プーチンさんは欧米各国が北京オリンピックの開会式に外交的なボイコットをする中で、
習近平国家主席に会って会談するのも、ウクライナ侵攻のパッケージの中の1つで、

またロシアは相当に外貨準備を増やしていてドル資金も手元に潤沢にあるって噂もあり、
周到に準備された上での侵攻で経済制裁もさほど効かないようにしてあり、
長い月日かけて計算された作戦の中の1つだったって事ですね。

経済制裁でもっとも効果があるのは先日記事にした
ウクライナ クライシス
http://loanimai-bigbust.net/admin/20220223-ukuraina.html

SWIFT(スイフト) からのロシア締め出しです。

(※)マネーロンダリング SWIFT&CIPS
http://loanimai-bigbust.net/admin/20210718-woodshock.html
で詳細に書きました

そしてこの制裁こそが、私も含めた投資家たちは注目してて、
SWIFT締め出しは、これはブーメランで、ロシアも確かに非常に痛いけども、
欧米諸国も非常に痛みを伴うので、もし実行されてたら、25日の株価は確実に下落してました。

万が一、実行されてもロシアは、中国の国際決済の枠組みのCIPSに入るだけだしね。

2022.02.26-ブログ04-Swifft


効果ある経済制裁

ロシアが強気に出てきた大きな要因は、原油高だからです。

2014年のクリミア併合
2008年のジョージア侵攻

ともに、ロシアが軍事行動を起こす時は原油価格が高い時です。
そしてエネルギー価格が上昇する寒い冬場です。
なので軍事進攻と冬季オリンピックの時期と重なります。

資源大国にとって、原油高の時は軍事行動が優位に働く訳です。

だとすると、もっとも効果のある制裁は、
ありとあらゆる手を使って原油価格を下落させる事です。

だからこそ、アメリカはイランの核合意をやろうとしていて、
これが上手くいけばイランの原油がでてくる事で需給にゆるみがでます。

なので、ロシア産原油は制裁対象にしないってのもその一環で、これは弱腰って事とは違います。
2022.02.26-ブログ06


そしてこれは世界的なインフレの大きな要因の資源エネルギー価格の抑制に多く寄与して、
アメリカ、日本、欧州とってもプラスになる経済制裁となって一石何鳥にもなります。

今回も一時NYのWTI原油が1バレルで100ドルを超えました。
ただ、これ今は相当落ち着いてます。

図:2月26日朝時点の原油チャート:60分足
WTI原油


この理由なんですが、よく分からなかったので、詳しい人に聞いたんですが、
ロシアも産油国ですが、アメリカも世界最大のシェールの産油国で、
アメリカで2月の第2週以降からですが
シェールガスのリグ(掘削装置)の稼動が増えてるそうです。

図:ベーカーヒューズ社発表の米石油採掘リグ稼働数
2022.02.26-ブログ08-rigu
https://jp.investing.com/economic-calendar/u.s.-baker-hughes-total-rig-count-1810


インフレの大きな要因でもあるし、さすがにこの状況では環境破壊だとか言ってらんないって事でしょうね。

ヨーロッパへの供給もアメリカのシェールガスで補うよってメッセージでしょうね。

まあこれが分かってたから、ノルドストリーム2(ロシア~ドイツのガス網)を経済制裁の一貫で凍結するとドイツのショルツ首相は宣言したんでしょうね。
2022.02.26-ブログ13ショルツ


もっともノルドストリーム2ってまだ稼動して無いので、
ノルドストリーム1の方を凍結する訳じゃないので、ロシアの天然ガス供給は続くんでしょうが、
ロシアのLNG(液化天然ガス)が途絶える可能性があるけども、その時はアメリカに頼ると。

ノルドストリーム2
2022.02.26-ブログ02ノルドストリーム2
アメリカのシェールが本格稼働すると状況は全く変わってきて、

私は今回のクリミア侵攻が大きな原油の転換点になるんじゃないか?とみてます。

無論、日本にとっても原油高による原材料価格の高騰が経済の足を引っぱってますから、プラスになります。
少なくともインフレを抑えるまでは、環境破壊とか言ってらんないでしょ!



歴史は繰り返す

2月24日(木)昼にロシアのウクライナ侵攻が始まりましたが、

「銃声が鳴ったら買え」
と記事にした通りですが、やはりここが結局は 株価の底値でしたね。


また、
「遠くの戦争は買い」
って相場格言がありますが、

やはり歴史通りなんだなと。
戦争で儲けるってのも気分悪い話なので、何買ったとかはもツブやきもしませんでしたが割と利益でました。

ロシアのウクライナ侵攻の可能性については、
2022年に「第三次世界大戦」の可能性がある事を
元外交官でロシアと交渉してた佐藤優さんが以前から言ってました。

まさか・・と思いつつ、頭の片隅にあったのでロシアの危機の可能性として、
それで2月21日週がもっとも注意と事前に記事にした次第です。

1年前の2021年春頃からロシアはウクライナと接する地域に9万人超の軍隊を集結させてました。
下記は2021年の軍隊を集結させている衛星写真でウクライナ侵攻が十分にあるという佐藤優さんが出してました。
2022.02.26-ブログ05-2021

そして、2022年に入ってさらに兵力も増強してました。

なのでウクライナへの侵攻を計画が可能性としてあるだろうと・・
同時に1年間からウクライナも国境地帯に軍隊を集結させてました。

プーチンさんが大統領になった時の日本の首相は森喜朗さんで、
プーチンさんと非常に仲が良くて、プーチンさんは、ソ連崩壊とともに、元々ソ連だった国々が分裂しNATOに入っていく事に忸怩たる思いだったと話していたようです。

あとウクライナの西部と東部では、全く文化が異なるそうで、
西部はウクライナ語ですが、東部はロシア語で宗教もロシア正教なんだそうです。

東部の人達はロシア人としてのアイデンティティが高くて、60万人以上がロシア国籍のパスポートを持ってるそうです。
この人達はウクライナ統合は望んでなくて、先日記事にした通りこの人達を保護しろ!ってのはロシア議会での総意だった訳で、その意向も受けた上でプーチン大統領は軍事侵攻した訳です。

ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力が住民を押さえつけて、それにウクライナ政府が対抗してるって欧米メディアが報じてるような実体とは相当異なるようです。

世の中ってのは、どちらか一方からの視点で見ただけでは、真実は見えないって典型ですね。
無論、一般市民をあやめて言いはずは無いです。

私は子供の頃にリアルタイムに近い形で、1年戦争の機動戦士ガンダムをアニメで観た世代なんですが、
子供ながらに今まで観たロボットアニメとは一線を画していて、それまでの勧善懲悪のアニメを完全に脱却していて、
敵にも味方にもそれぞれの言い分や立場があり、かつ戦争の悲惨さも見事に描写されてました。

2022.02.26-ブログ11

2022.02.26-ブログ10
2022.02.26-ブログ09


しかし、事前にこういう情報を聞いてても、やはり戦争は起きて欲しくないって願望もあり希望的観測もありつつ、もし起こったらどうすべきかだけを考えてました。

トレードするのと一緒ですが、常に最悪の事態を想定した上で望まないとダメだなと改めて思いました。



第三次世界対戦の可能性

①最悪のシナリオは、
ウクライナにNATO軍を派遣する事で、NATO軍の親分は無論アメリカです。
そして戦争が長期化する事で、要はこれが第三次世界対戦です。
これが無いと言うために、バイデン大統領はウクライナに兵は派遣しないと明言しちゃった訳です。

今回決めたアメリカ軍の派遣は、ウクライナじゃなくて、NATO加盟国のバルト三国などです。
要は、NATOの同盟は守るけども、ウクライナには手を出さないって事です。
なので、第三次世界対戦は無いって事です。
つくづく同盟関係である安保条約ってのが、いかに重要かってのが分かりますよね。


②BADシナリオは、
ロシアvsウクライナの戦争が4月以降も長期化する事です。
これはロシアにとってもお金ばっかりかかる嫌な選択肢で、さっさと首都キエフを陥落させたいでしょう。
キエフとロシアの国境って30km程度と近いし、陥落も時間の問題でしょう。
ロシア軍とウクライナ軍とじゃ勝負になりません。

すでに制空権を握ってると報道でも出てますので、制空権を握られてたらもう成す術はありません。
アメリカはウクライナには入らない事を宣言してますので、
もうロシアの軍事進攻って最悪の事態はすでに終わった訳です。
もう焦点は実質的に、ロシア軍がどう駐留するかでしょう。


③短期シナリオは、
3月中にキエフを陥落させて
首都キエフを完全に制圧した上で、ロシアに寛容な政権を樹立する。
そしてしばらくロシア軍は駐留して、東部の2地域のドネツク州、ルガンスク州を独立承認しましたが、ロシアに編入するっていう、クリミアパターン。
そして段々ロシア軍が引いていく。


④一番良い超短期シナリオは、
北京オリンピック後に侵攻しましたので、
ウクライナ政権が変わるか、または現政権の元でも、NATO加盟については見送るって発言をして、
中国の顔を立てるためにも、3月4日の北京パラリンピックの開会式までに終わらせる。

これが一番の楽観的なシナリオで、
経済的には、ロシアは中国さえ押さえておければ、何とかなっちゃうからね。



終結条件と新冷戦

しかし・・ロシアの軍事行動は、ロシアに融和的な東部地域のみの占拠だと思ってたのですが、一気に首都キエフ含めた全土を攻めるとは・・・

ロシアの一連の軍事行動、プーチン大統領の会見等で、目的ははっきりしました。
・目的①
NATO加盟の望むウクライナのゼレンスキー政権の打倒で、ロシアに融和的な政権の樹立で、ウクライナをNATOに加盟をさせない事。

・目的②
ウクライナの東部のロシアに融和的な人民の保護で、ロシアの国内支持による基盤の安定。


今回のウクライナ戦争が終結するには、
・終結条件①
ウクライナのゼレンスキー政権が自ら辞任して、ロシアに融和的な政権が樹立される。

・終結条件②
あるいは、NATOに入らない事を宣言する。

・終結条件③
ロシアが首都キエフ含めて、ウクライナを占領してしまう。

の、どれかで決まりで、いずれにせよロシアの勝利で終わりです。
いくら平和を叫ぼうが、
「力なき正義は無力」なんです。

残念ながら、これが古今東西、歴史の現実なんです。。
これを機に日本の平和ボケしてる人達も現実が何なのか?を理解して欲しいです。

今回で分かった事は、
中国vsアメリカ
という新冷戦の単純な構図ではありません。

中国+ロシア+α
vs
アメリカ、日本、イギリス、オーストラリア、EU+α

+α の所が非常重要で、中国はアフリカをはじめとする各国を、自分達の陣営に引きこもうとしてます。

また反米の中東諸国も沢山あります。
インドもロシアから多くの武器を供与されてる関係で、微妙な立ち位置です。

韓国も非常に微妙で、大統領選挙が3月にありますが、

李在明(イ・ジェミョン)vs尹錫悦(ユン・ソクヨル
尹錫悦(ユン・ソクヨル)が左
李在明(イ・ジェミョン)が右

「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補が大統領になれば、
最初に会うのはアメリカで次は日本と明言しており、日韓関係を再構築と、
中国への警戒感を明らかにしてます。

与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補が大統領になれば、完全な反日で中国によっていく可能性があります。

中国、ロシアともに諜報にも優れた国で、
特に日本の報道機関にも、どうみても反日、親中のメディアは沢山あります。

香港の例が分かり易くて、まずメディアを全て抑えにかかりました。
中国が狙うのは、日米の離間です。
岸田総理、茂木幹事長、林外務大臣という、親中の政権は絶好のチャンスのはずです。

このタイミングで金融所得課税の話しとかトチ狂ってるな。。。
2022.02.26-ブログ12



極端なナショナリズムは、戦争の引き金になるので冷静に判断すべきですが、
この新冷戦の構図というのは、そこまでハズレて無い気がします。


来週のマーケットの予想を中心に書こうと思いましたが、長くなったのでこれで終わりにします。


良い週末をお過ごしください


では、では。


ちゃんちゃん。